Astra Takken 速報トップ / 詳細解説一覧 / 問1
権利関係

問1 所有者不明土地管理命令・管理不全土地管理命令難易度 B(標準)

正解3

出題内容

所有者不明土地管理命令・管理不全土地管理命令の請求権者、要件、管理人の権限を問う。

問い方:正しいものはどれか(民法)

選択肢の解説

1所有者の所在不明の土地について、公益性の観点から誰でも所有者不明土地管理命令を請求できる×

請求できるのは利害関係人(264条の2第1項)

2共有者の一部が所在不明の相続土地について、相続開始から10年を経過しなければ管理命令は発令されない×

管理命令に10年の要件はない。10年要件は遺産共有持分の取得・譲渡の制度(262条の2第3項等)

3所有者不明土地管理人は、裁判所の許可がなくても、保存行為と、土地の性質を変えない範囲の利用・改良行為ができる○

264条の3第2項

4管理不全土地管理人は、所有者の同意がなくても、裁判所の許可を得れば土地を処分できる×

処分には裁判所の許可に加え所有者の同意が必要(264条の10第3項)

正解のポイント
所有者不明土地管理人は、保存行為と性質を変えない範囲の利用・改良行為を裁判所の許可なしにできる(264条の3)。

詳しい解説

令和5年施行の財産管理制度からの出題。所有者不明土地管理人と管理不全土地管理人は、どちらも裁判所が利害関係人の請求で選任する。権限は保存行為と性質を変えない範囲の利用・改良行為が基本で、それを超える行為(処分など)には裁判所の許可が必要。管理不全土地の処分には、さらに所有者の同意が必要になる。

押さえるポイント

ひっかけ注意:「公益性があれば誰でも請求できる」「10年経過が要件」など、他の制度の要件を混ぜた肢

理解を深める

この問題を解く順序

二つの管理制度は「所有者を把握できない」のか「所有者は分かるが管理が不適切」なのかを分けて考えます。管理人を選ぶ必要性と、選任後に何をできるかは別の問題です。処分のように所有権へ強く影響する行為ほど、追加の手続が必要になります。

  1. 請求する人が利害関係人かを確認する。公益性だけでは請求権は生じない。
  2. 保存・性質を変えない利用改良と、それを超える行為を分ける。
  3. 管理不全土地の処分では、裁判所の許可に加えて所有者の同意も確認する。

比較・具体例で整理

問1の判断に使う条件と結論
確認する点考え方・結論
所有者不明土地の保存原則として裁判所の許可なしでできる
所有者不明土地の売却裁判所の許可が必要
管理不全土地の売却裁判所の許可と所有者の同意が必要
復習の一問一答相続開始から10年たっていなければ、管理命令を出せない?

いいえ。管理命令の要件に一律の10年待機期間はありません。所在等不明共有者の持分取得など、別の制度の期間と区別します。

参考文献・根拠

  1. 民法 264条の2〜264条の14(e-Gov法令検索)

条文は2026年4月1日時点の施行法令で確認してください(e-Gov法令検索)。

本ページの解答・解説は独自に検討した非公式のものです(2026年10月18日、問題冊子の原文と全問照合済み)。問題文は要旨で記載しています。正式な正解は2026年11月25日に試験機関から公表されます。