テーマ別学習 / 借家の対抗力と特約の効力
権利関係借主に不利な特約がすべて無効になるわけではありません。どの条文が強行規定とされているかを確認します。
仕組みから理解する
1. 引渡しによる対抗力
建物賃貸借は登記がなくても建物の引渡しがあれば、その後に建物の物権を取得した者に対抗できます。建物の賃借人を保護する規定であり、貸主の売却によって当然に借家が消えるわけではありません。
2. 37条の列挙に戻る
借地借家法37条が借主に不利な特約を無効とする対象は、31条、34条、35条です。36条の居住用建物の賃借権の承継は、この列挙に含まれていません。条文の番号だけでなく、何を保護しているかも対応させます。
3. 相続と同居者の承継を区別
相続人なく死亡した居住用建物の賃借人に、事実上の夫婦又は養親子の関係で同居していた者がいる場合の承継が36条の論点です。通常の相続とは前提が違い、反対の意思表示や特約の有無も確認します。
並べて覚える比較表
| 論点 | 基本のルール | 間違えやすい点 |
|---|---|---|
| 31条 | 引渡しによる対抗力 | 借主に不利な特約は無効 |
| 34・35条 | 転借人・借地上建物賃借人の保護 | 37条の対象 |
| 36条 | 相続人なしの場合の同居者承継 | 反対特約が可能 |
具体例を順番に解く
相続人のいない居住用建物の借主が死亡。事実上の配偶者が同居していた。
- 通常の相続ではなく36条の承継が問題となる。
- 承継を排除する特約や反対の意思表示を確認する。
- 36条は37条の強行規定の列挙に含まれていない。
ひっかけを見抜く:「借地借家法だから全部強行規定」と一括りにしない。
確認問題:条件を変えて解いてみよう
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