問11 借地借家法(存続期間60年の土地賃貸借)難易度 C(難)
出題内容
存続期間60年の土地賃貸借での、定期借地の方式、資材置場目的の場合、地代減額特約、他人名義の登記を問う。
設例:A所有の甲土地につき、AとBが期間60年の賃貸借契約を結ぶ。
問い方:誤っているものはどれか(民法・借地借家法・判例)
選択肢の解説
期間60年なら一般定期借地権(22条)で、公正証書に限らず書面(電磁的記録を含む)でよい。公正証書が必要なのは期間50年未満の事業用定期借地権(23条)
借地借家法は適用されず、民法604条で上限50年
減額しない特約は無効(11条1項。有効なのは増額しない特約だけ)
借地権者本人名義の登記が必要で、同居・同氏の家族名義でも対抗できない(最大判昭41.4.27)
期間60年なら一般定期借地権で、書面でよく公正証書に限られない。
詳しい解説
期間60年という設定が鍵。事業用定期借地権は10年以上50年未満なので使えず、一般定期借地権(50年以上)になる。一般定期借地権は書面(電磁的記録を含む)で契約すればよく、公正証書は要件ではない。建物所有が目的でない土地賃貸借には借地借家法が適用されず、民法の上限50年が及ぶ。
押さえるポイント
- 一般定期借地権:50年以上・書面
- 事業用定期借地権:10年以上50年未満・公正証書
- 地代を増額しない特約は有効、減額しない特約は無効
- 借地上の建物の登記は借地権者本人の名義が必要
ひっかけ注意:事業用だから公正証書、と思い込ませる肢
図解:借地の種類と存続期間(スライダーで期間を選択)
理解を深める
この問題を解く順序
まず土地を何に使う契約かを見ます。建物所有目的なら借地借家法の借地、資材置場だけなら民法の土地賃貸借です。さらに定期借地の種類は、事業用という名前だけでなく、60年という期間から選びます。
- 建物所有目的かを確定する。資材置場目的には借地借家法の借地規定を使わない。
- 60年は事業用定期借地権の50年未満という範囲から外れる。
- 一般定期借地の方式、地代減額の特約、建物登記の名義を別々に判定する。
比較・具体例で整理
| 確認する点 | 考え方・結論 |
|---|---|
| 一般定期借地権 | 50年以上。更新等を排除する特約は書面等で定め、公正証書に限定されない |
| 事業用定期借地権 | 10年以上50年未満。公正証書が必要 |
| 資材置場だけの土地賃貸借 | 民法の期間上限50年 |
| 未成年の長男名義の建物登記 | 借地権者本人名義ではないため、本問の対抗要件にならない |
復習の一問一答事業に使う建物なら、60年でも必ず公正証書が必要?
いいえ。事業用定期借地権という制度の期間外です。一般定期借地権の要件で判断します。用途の言葉だけで制度を選ばないようにします。
参考文献・根拠
- 借地借家法 3条・10条・11条・22条・23条(e-Gov法令検索)
- 民法 604条(e-Gov法令検索)
- 最高裁昭和41年4月27日大法廷判決
条文は2026年4月1日時点の施行法令で確認してください(e-Gov法令検索)。
本ページの解答・解説は独自に検討した非公式のものです(2026年10月18日、問題冊子の原文と全問照合済み)。問題文は要旨で記載しています。正式な正解は2026年11月25日に試験機関から公表されます。
